校長室から皆様へ

校長から生徒の皆さんへ!「挑戦する読書」ー第1回ー

 学校の臨時休業が再延長となりました。再開を心待ちにしていた生徒の皆さんにとっても,私たち教職員にとっても,辛い時期が続くことになります。先生方も気持ちを切り替えて,皆さんの登校を心待ちにしながら,教材研究,課題作成に集中しています。
 休業中にあっても,本校の先生方とつながり,積極的に自学自習に取り組んでいる生徒の皆さんの学習意欲に心から敬意を表するとともに,この時期だからこそ取り組める読書を!との思いから,普段,あまり手にする機会のない本を紹介してみたいと思い,ペンを執りました。第1回は・・・

 保坂和志『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』草思社

 この本は,私が国語の教員として,小論文の受験指導で目にしたのが最初でした。何と言ってもこのタイトルが衝撃的です。 本の帯に綴られている言葉には”結論に逃げ込まずに、「考える」行為にとどまりつづけろ! ”とあり,読者に対し,真に「考える」ことの意味を問い,読者を本質的な思考に導く書であることが,おぼろげながら伝わってきます。
 中学・高校時代は,自分とは何か,人は何のために生きるかといった自分自身との対話の中で苦しみ,正解にたどりついたとは思えずに挫折感ばかりを覚える時代なのかもしれません。しかし,このもがき苦しむ時間が青年期には必要です。一般化され,目の前に投げ出された結論に飛びついてしまっては,自分の前に立ちはだかる壁を前に逃げ出すことばかりを選択する大人になってしまう。この答えのない哲学的な問いに耐えうる粘り強さを身に付けることができるのも青年期なのです。
 「十代のときに感じる世界の手触り」「わかるという檻」「”才能”なんて関係ない」「頭の働きは二十代がピークなのか」「”自分の考え”は”自分の考え”ではないかもしれない」「三十歳になるなんて思ってなかった」・・・・
 この本に私は40代で出会った。生徒の皆さんに今だからこそお勧めする本。時間をかけてじっくり読んでみてほしいと思う本です。
                                             令和2年5月1日
                                             校長 小川 典昭

創立記念日に寄せて

本日4月17日は創立記念日です。大正9年(1920年)に古川高等女学校が開校,その後,古川女子高等学校,そして古川黎明中学校・高等学校と変遷し,今日記念すべき100周年を迎えました。本年10月23日には100周年記念式典が予定されております。
 創立記念日に寄せて,3月に刊行された生徒会誌「白梅第62号」に寄稿した文章を掲載します。私自身が感じる教員という職業の魅力についてしたためました。学校が再開され,黎明中学校・高等学校の生徒たちと一緒に学べる日が一日でも早く訪れることを切に祈っています。                

                 「教え子のラグビージャージ」
                 ~一途に!そしてひたむきに!~                            <白梅第62号の表紙>                                    校長 小川 典昭
            2009年11月,ユアテック仙台スタジアムの最前列,時計を見ながら残り時間をカウントダウンする自分がいた。じりじりと時間が過ぎる。こんなにも時間がたつのを遅く感じるのは,競技時間に制限がないソフトテニス競技を長く経験してきたからだろうか。

 絶対王者仙台育英高校ラグビー部を追い詰め,残り時間あと5分となって3点をリードする仙台三高ラグビー部。この試合に勝てば全国大会花園出場!「はやく試合終了のホイッスルが鳴れ!」と何度時計を見たことか。

 押し込まれ,ノーサイドの笛寸前に逆転のトライを許す。育英の選手たちの目には涙が溢れる。しかしそれはうれし涙というよりは自分たちの代で連続優勝が途切れてしまう恐怖心から逃れた安堵の涙であったように感じられた。「万事休す!」と肩を落とした私たち応援席に聞こえてきたのは「まだだ!いくぞ!」と仲間を鼓舞する聞き覚えのある声。左右の鎖骨骨折を乗り越え,力強く選手を牽引する主将の声だった。諦め,うなだれる選手は一人もいない。力強い主将の声に促され,全員が走り出す姿に心打たれた。

 入学してきたばかりの頃は体の線は細く,繊細な性格もあり,グラウンドに向かう後ろ姿は見るからに弱々しかった。常にどこかしら怪我を負い,担任として何度か転部を進めたような記憶がある。それが浪人生活を経て関東大学ラグビー界の名門,早稲田大学ラグビー部に入部したとの知らせを受け驚いた。

 無名の選手には厳しい世界と知りつつ挑戦するのだから,余程の覚悟が必要である。どこにその強靱な精神が隠されていたのだろう。そんなにもラグビーという競技には魅力があるのかと当時の私は不思議に思ったのを覚えている。

 日本中を沸かせたラグビーワールドカップが閉幕,宴の後の集客を心配する声をよそに,社会人ラグビーや高校ラグビーに観客がわんさと詰めかけている。強豪を次々に破り,決勝トーナメントに進出したことが盛り上がりの要因ではあろうが,「ONE TEAM」をスローガンに,外国出身選手が日の丸を背負い,母国を相手に闘う姿は,日本人の心を揺さぶり,目頭を熱くした。リーチ主将を先頭に肩に手を乗せ,全員が一つになり入退場するシーンは,これからの日本が目指す国際性豊かな社会を体現するかのようなわくわく感をも感じさせた。さらに,活躍した選手が自分ばかりに脚光を浴びるのを嫌い,「自分の役割に過ぎない」とコメントする選手の言葉を聞くにつけ,ラグビーという競技の魅力に改めて気付かされた。敵も味方もない,ましてや日本人や外国人の区別もない。そこにあるのはラグビー競技の歴史が育んだ精神性,選手同士への「敬意」なのだと。

 早稲田大学2年生に在籍時,春先に母校を訪れた際,一緒に食事をする機会があった。肩幅が1・5倍,私を見下ろすような体格で現れた彼は,この2年間で一般受験で入部した多くの部員が退部してしまったことや,レギュラーになることは至難の業であることを淡々と語った。しかし,彼の声は憧れの臙脂と黒のジャージを,いつか公式戦で着るんだという強い決意に溢れていた。

 それから2年後,私の携帯に留守電があり,現役最後の試合でベンチ入りし,あこがれのジャージを着ることになったこと,そして是非応援に来て欲しいという,彼にしてはちょっと興奮気味の声があった。部活の顧問でもない私に対し,卒業してからも丁寧に連絡をくれる彼に,教員であることの喜び,嬉しさを感じ,感謝の気持ちでいっぱいになった。 ワールドカップを放映するテレビカメラはピッチサイドで闘っている選手の一挙手一投足に一喜一憂し,必死に応援するイレギュラーの選手を映し出す。そんな時,ふとあこがれのジャージを着て,ピッチサイドでレギュラーを支えていた教え子の姿が重なる。あのとき彼はどんな気持ちでピッチサイドに立っていたか。夢を諦めず最後の最後にベンチ入りの座を勝ち取り,レギュラーと同じジャージを着て誇らしげだったか。ピッチに立つ選手たちを眺めながら試合に出場できない悔しさを改めて感じていたのか。それともそんな感情はとうに忘れ,選手・ベンチが一体となってともに闘っていたのだろうか。その後就職の報告に現れた彼に,私は尋ねることができなかった。自らが信じた道を一途に突き進み夢を叶えた彼に,聞いてはいけないような気がした。

 令和の時代が始まり,近い将来,人工知能が人間を凌駕する時代が到来する,そんな不安が世の中を覆っている。人間らしさとは何か,人間が人間である根源は何か。これまであまり触れることがなかったこれらの問いに真剣に向き合わなければならない。ピッチサイドで憧れのジャージを着て,競技生活を終えた教え子から教えられる。夢を追いかける純粋なまでの「一途さ」は,人の心を震わせ,原点に立ち返らせる。一人の人間の成長過程を見守ることのできる教師という素晴らしい職業。残り少なくなった教員人生を奮い立たせてくれる。

「創立100周年,そして新たな時代へ~SSH2期目のスタート~」(関東同窓会総会 2019/5/25 寄稿文)

古川黎明中学校・高等学校が誕生し,今年で15年目,そしていよいよ来年は創立100年の記念の年を迎えようとしております。関東支部同窓会の皆様には,日頃より本校の教育活動にご理解いただき,物心両面にわたりご支援を頂戴しておりますことに深く感謝申し上げます。
 私は4月に着任いたしました小川典昭と申します。前勤務地は3月をもって62年の歴史に幕を下ろし,閉校となった県南白石市の「南中学校」です。国語の教員として長く高等学校に勤務し,中学校勤務は校長として初めての経験でした。閉校にあたっては地域の方々をはじめ,多くの皆様のご支援をいただきました。地域の拠点として中学校が果たす役割の重さを肌で感じるとともに,学校という社会において,いかに人の温もりや思いやりが生徒の心を育むものなのかを,改めて実感いたしました。この貴重な経験を県内初の中高一貫教育校である本校の更なる発展に結びつけられるよう,誠心誠意努力することが私に課せられた使命と思っております。
 さて,本校は今年度,文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の2期目の指定をいただきました。1期目終了後2年の準備期間を要しましたが,職員一丸となっての必死の努力が実を結んだ結果です。多くの予算で,大崎地域で活躍するトップリーダーを育てます。今年は世界農業遺産に認定された「大崎耕土」に学びながら,ゆくゆくは本校が大崎地域全体の拠点として活躍する「大崎サイエンスコンソーシアム」構築を目指します。SSHの2期目の指定は「令和」の時代の始まりと相俟って,本校生徒の前途を明るく照らしているかのような朗報となりました。
 昨年3月の卒業生も,本校始まって以来の国公立大学現役合格者50名を突破,勢いに乗っています。また,県内有数の充実した施設・設備を誇る本校にあって,生徒たちは新入部員を迎え,部活動にも精力的に取り組んでおります(写真は4月に大崎市の広報表紙を飾った書道部,そして河北美術展に3名同時入選の快挙を成し遂げた美術部の生徒たちの様子です)。
 古川黎明中学校・高等学校がますます発展し,先輩方の輝かしい伝統に花を添えられるよう,また,100周年記念事業が成功裡に終えられるよう,職員一同精一杯頑張ってまいります。関東支部同窓会の皆様方の一層のご健勝とご活躍をお祈り申し上げるとともに,今一段のお力添えを賜りますようお願い申し上げ,ご挨拶とさせていただきます。

平成29年度古川黎明中学校・高等学校入学式 式辞

 やわらかな日差しとそよふく風に、希望の春を迎える季節となりました。本日この佳き日に、本校PTA会長鈴木優幸様,同窓会会長千葉典子様をはじめ、多くのご来賓の方々、並びに保護者の皆様方のご臨席のもと、平成二十九年度入学式を挙行できますことは、まことに喜びに堪えません。
 ただいま、中学校百五名、高等学校二百三十二名の新入生を迎え入れることができました。教職員、在校生を代表しまして心から歓迎いたします。
新入生のみなさん、入学、本当におめでとう。
また、保護者のみなさまにおかれましても、本日の我が子の晴れ姿を目の当たりにされ、感慨もまた一入(ひとしお)のことと存じます。心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。
 さて、本校は、大正九年に創立して以来、今年度で九十七周年を迎える、長い歴史と伝統を誇る学校です。平成十七年に、県内初の併設型中高一貫教育校「古川黎明中学校・高等学校」として再スタートをし、十三年目を迎えました。
 本校では、「想像力の育成」、「自主・自立の精神の育成」、「共生の心の涵養」の三つを教育目標に掲げ、「確かな知性、旺盛な自立心、広い共生の心をもって、自己の使命を見出し、国際社会に貢献する人材」の育成を目指して教育活動に取り組んでおります。
 平成二十四年度から進めてきたスーパー・サイエンス・ハイスクール事業はこの三月をもって第一期目が終了し、今年度は一年間の経過措置となりました。来年度からの再指定を目指して取り組みを続けていく運びです。
 ところで、この校舎は三年前に完成した真新しいものであり、またこの秋までは、旧校地にサッカー、野球、ソフトボール、ソフトテニス、ハンドボール、弓道などのスポーツ施設が整備される予定です。完成の暁(あかつき)には、一層充実した教育環境を有することになります。本校では、この恵まれた教育環境のもと、中高一貫教育校としてさらに魅力あふれる学校づくりを推進して行くべく、全教職員が一枚岩となって持てる力を十二分に発揮し、教育活動に取り組んで行こうと決意を新たにしているところです。
 新入生のみなさんは今日からスタートする古川黎明での生活に期待と希望で胸をいっぱいにふくらませていることと思います。中学校の三年間は大人への入り口、高校の三年間は大人への出口と言われます。みなさんがこれから迎える学校生活は、大人社会への準備期間であり、みなさんの今後の人生の道探し・道づくりの時期になるとても大切な日々でもあります。みなさんの今後の人生を実り豊かなものにするために、これからの古川黎明での生活をぜひ有意義で充実した日々にしていただきたいと思います。
 そこでこれからの古川黎明での生活をスタートさせるにあたり、みなさんに本校の校訓「尚志・至誠・精励」についてお話します。
 一つ目の「尚志」は、「志を高く持ち、目標を掲げよ」ということです。私は、人生で大事なことは夢を持つことであるととらえております。夢は人を強くします。夢は人を励まします。夢は人が迷ったとき、道を照らす星になってくれます。若いみなさんには、ぜひ、夢を大きく持ち、あきらめることなくその実現に向けてこれからの生活を頑張っていっていただくことを大いに期待しています。
 校訓の二つ目の「至誠」は、「普段やらなければいけないことを、真剣に、誠心誠意おこなう」ということです。これは、幕末の思想家吉田松陰が門下生に語り続けたもので、「至誠にして動かざるものは、未だこれあらざるなり(精一杯心を込め、やるべきことを尽くせば、それで動かされない人はいない)」という言葉が有名です。みなさんにたとえると、勉強はもちろん、部活動や生徒会活動、学校行事、清掃、友だちづきあい、家庭でのお手伝いなど、何事にも正面から向き合い、手を抜かずに真剣に取り組むことが大切です。
 三つ目の「精励」は、文字どおり「精を出して励む」ことです。何をやるにしても、最後まであきらめずにコツコツと粘り強くやり続ける事が大切です。「コツコツが勝つコツ」。イチロー選手も「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道である」と、努力を続けることの大切さを話しています。これからの学校生活の中で、勉強や部活動はもちろん、何事にも諦めることなく、粘り強く取り組んでください。努力は必ず報われます。
 以上、本校の校訓についてお話しました。これから始まる学校生活で、いろいろなことに挑戦し、持てる力を存分に発揮し、さまざまな経験を積んでください。そして、自分をたくましく成長させていってください。
 先生方はみなさん一人一人が古川黎明の生徒としての誇りと自信を持って、充実した学校生活を送ってもらえるよう、力を合わせて支援し、全面的に協力していきます。私たちもがんばります。みなさんもがんばってください。
 保護者のみなさま、本日からお子様を卒業まで、本校でお預かりすることになりました。この古川黎明中学校・高等学校の学舎の中でお子様が大きく成長し、卒業の時にはそれぞれ希望した進路が達成できますよう、教職員一同最善を尽くす所存です。
 中学校・高校時代は、子どもたちが責任ある大人として、自立していく重要な過程のまっただ中にあり、成長と変化が著しいときです。保護者のみなさまにおかれましては、お子様の努力の様子を、常に温かく、時には毅然として見守っていただきますようお願いいたします。
 今後、教育を進める中で、ご家庭との連携がますます重要となってまいります。今後とも本校へのご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 結びに、ご多用の中、ご臨席を賜りましたご来賓、並びに保護者のみなさまに重ねて感謝を申し上げますとともに、新入生のみなさんがこれからの学校生活の中で、互いに励まし合い、支え合いながら切磋琢磨し、たくましく成長してくれることを大いに楽しみにして、式辞といたします。

        平成二十九年四月七日
宮城県古川黎明中学校・高等学校 校長  阿部 修一

平成28年度古川黎明中学校・高等学校入学式 式辞

 やわらかな日差しと心地よい風に、生命が躍動する希望の春を迎える季節となりました。今日のこの雨は,大地に潤いを与え,草木の命をはぐくむ,まさに恵みの雨といったところでしょうか。諏訪公園の桜の花も咲き始めたこの佳き日に、本校PTA会長窪田浩昌様,同窓会会長千葉典子様をはじめ、多くのご来賓の方々、並びに保護者の皆様方のご臨席のもと、平成二十八年度入学式を挙行できますことは、まことに喜びに堪えません。
 ただいま、中学校百五名、高等学校二百四十名の新入生を迎え入れることができました。教職員、在校生を代表しまして心から歓迎いたします。
 新入生のみなさん、この度の入学、本当におめでとう。また、保護者のみなさまにおかれましても、本日の我が子の晴れ姿を目の当たりにされ、感慨もまた一入(ひとしお)のことと存じます。改めまして心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。
 さて、本校は、大正九年に、志田郡立高等女学校として創立し、戦後の学制改革により古川女子高等学校となり、ここ大崎の地での女子中等教育の振興に長らく力を尽くしてまいりました。そして、平成十七年には県立高校の男女共学化の流れにより、県内初の併設型中高一貫教育校「古川黎明中学校・高等学校」として再スタートを切りました。創立以来、今年度で九十六周年を迎える、長い歴史と伝統を誇る学校です。
 本校は、「尚志・至誠・精励」の校訓のもと、「想像力の育成」、「自主・自立の精神の育成」、「共生の心の涵養」の三つを教育目標に掲げ、「確かな知性、旺盛な自立心、広い共生の心をもって、自己の使命を見出し、国際社会に貢献する人材」の育成を目指して教育活動に取り組んでおります。
 平成二十四年度からは、未来を担う科学技術系人材を育てることをねらいとする文部科学省指定事業、スーパー・サイエンス・ハイスクールの指定を受け、理数系教育の研究開発を続けているところです。
 一昨年、待望の新校舎が完成しました。新しく充実した環境のもと、中高一貫教育校として魅力あふれる学校づくりを推進して行くべく、全教職員が「チーム黎明」として持てる力を十二分に発揮し、教育活動に取り組んで行
こうと決意を新たにしているところです。
 新入生のみなさんは今日からスタートする古川黎明での生活に期待と希望で胸をいっぱいにふくらませていることと思います。中学校の3年間は大人への入り口、高校の3年間は大人への出口と言われます。みなさんがこれから迎える学校生活は、大人社会への準備期間といえるものです。古川黎明での生活は長い人生のうちでは僅かな年月ですが、この古川黎明での生活がみなさんの今後の人生の道探し・道づくりの時期になるとても大切な日々でもあります。みなさんの今後の人生を実り豊かなものにするために、これからの古川黎明での生活をぜひ有意義で充実した日々にしていただきたいと思います。勉強はもちろん、部活動や生徒会活動にも積極的に参加してください。そしていろいろなことに主体的に意欲的に果敢にチャレンジしてください。
 これからの学校生活を充実したものにするために、みなさんに三つの「気」を大切にしてもらいたいと思います。
 一つ目は「元気」です。何でもそうですが、物事をしっかりと行っていくためには元気が大切です。毎朝、「おはようございます」の元気なあいさつで、一日をスタートさせましょう。笑顔で元気に挨拶のできる生徒になってください。
 二つ目は「やる気」です。元気であれば、やる気が出ます。何事でも、やる気を持って、前向きな姿勢で主体的に取り組んでいくことが大切です。失敗を恐れる事はありません。失敗をするから成功があるのです。待ちの姿勢
では何も変わりません。何でも思い切ってやってみることが大切です。
 三つ目は「根気」です。何をやるにしても、最後まであきらめずに、コツコツと粘り強くやり続ける事が大切です。「コツコツが勝つコツ」。これからの学校生活の中で、勉強や部活動はもちろん、何事にも諦めることなく、粘り強く取り組んでください。
 以上、「三つの気」、「元気・やる気・根気」を大切にして、これから始まる学校生活で、いろいろなことに挑戦し、持てる力を存分に発揮し、さまざまな経験を積んでください。そして、自分をたくましく成長させていってください。
 先生方はみなさん一人一人が古川黎明の生徒としての誇りと自信を持って、充実した学校生活を送ってもらえるよう、力を合わせて支援し、全面的に協力していきます。私たちもがんばります。みなさんもがんばってください。
 保護者のみなさま、本日からお子様を卒業まで、本校でお預かりすることになりました。この古川黎明中学校・高等学校の学舎の中でお子様が大きく成長し、卒業の時にはそれぞれ希望した進路が達成できますよう、教職員一同最善を尽くす所存でございます。
 中学校・高校時代は、子どもたちが責任ある大人として、自立していく重要な過程のまっただ中にあり、成長と変化が著しいときです。保護者のみなさまにおかれましては、お子様の努力の様子を、常に温かく、時には毅然として見守っていただきますようお願いいたします。
 今後、教育を進める中で、ご家庭との連携がますます重要となってまいります。今後とも、本校へのご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
 結びに、ご多用の中、ご臨席を賜りましたご来賓、並びに保護者のみなさまに重ねて感謝を申し上げますとともに、新入生のみなさんがこれからの学校生活の中で、互いに励まし合い、支え合いながら切磋琢磨し、たくましく
成長してくれることを大いに楽しみにして、式辞といたします。

 平成28年4月7日
宮城県古川黎明中学校・高等学校  校長 阿部 修一